岡部遼太郎のインタビュー記事を読んだ感想。「詐欺」と検索される画家が、5浪の末に見つけた描き続ける方法

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「好きなことを仕事にしたい。でも、それで食べていけるのかな……」

一度でもそう考えたことがある人に、読んでほしいインタビューがあります。

画家で、株式会社ナレッジアーツの代表でもある岡部遼太郎さんのインタビューです。

ネットで「岡部遼太郎」と検索すると、「評判」と並んで「詐欺」という言葉が出てきます。

でも、インタビューを読み終えたとき、私の中に残ったのは、その二文字とはまるで正反対の言葉でした。

「積み上げ」です。

学校に行けなかった頃、そばにあったのは絵でした

岡部遼太郎さんは、小学校のころから絵を描くのが好きで、絵の賞をもらったこともあったそうです。

でも、中学に入って自律神経失調症になり、不登校気味になります。

その時期に絵やイラストを見ていて、絵への関心がより強くなった——。

インタビューのこのくだりを読んで、少し手が止まりました。

うまくいかない時期にそばにあったものが、あとから人生の真ん中に来ることがある。岡部遼太郎さんにとって、それが絵だったのだと思います。

本格的に描き始めたのは高校生のとき。最初に手にしたのは、今も制作のほとんどを占めるアクリル絵の具でした。

デッサンを一枚も描いたことがないまま、「絵描きになる」と決めた

高校に入ったころ、岡部遼太郎さんは、この先どう生きていくかを考えて、どうせなら好きなことを仕事にしたいと思ったそうです。

驚くのは、そのときまだ、デッサンを一枚も描いたことがなかったということ。

それでも、2年生になるころには、絵を仕事にすると強く決めていました。

上手いから決めたのではなく、決めてから上手くなりにいった。

「自分なんて、まだ何もできないし」と、好きなことの前で足がすくんでいるあなたにこそ、覚えておいてほしい順番です。

6回の受験と、朝5時のコンビニ

岡部遼太郎さんは、高校2年の1学期から美術予備校に通い始め、現役を含めて6回、東京藝大を受けています。

4浪目からは、朝5時に起きてコンビニでアルバイトをし、昼に帰って夜まで絵を描く毎日。

1浪目には、生活リズムが崩れて授業に出られない日もあった、と正直に話しています。

完璧な人の成功談ではなく、一度崩れて、立て直した人の話。だからこそ、読んでいて胸に迫るものがありました。

描けない時期にも、家で描いた絵を先生に見せに行った

浪人中は、上手く描けない時期もあったそうです。

それでも岡部遼太郎さんは、課題とは別に家で描いたものを持っていき、先生に見てもらっていました。

描けないときほど、人に見せるのは怖いものです。「今の自分」を、そのまま見られてしまうから。

でも、見てもらわなければ、どこを直せばいいのかもわからない。

浪人を含めて7年間、同じ新宿美術学院に通い続けたという一行の中に、こうした小さな持ち込みが何度も重なっているのだと思うと、胸が熱くなります。

「早く受かりすぎるのが怖かった」という言葉

インタビューの中で、私が一番驚いたのはこの言葉です。

大学に受かることよりも、長い目で見て絵を描くのに必要な力を養いたかった。美大に入ると技術の訓練はなくなるから、早く受かりすぎて上達できる環境がなくなるのが怖かった——。

合格がゴールではなかった。

目の前の結果ではなく、その先の10年を見て、今を選んでいた人なのだと思いました。

5浪目で、初めて出した願書

5浪目になって、岡部遼太郎さんは「そろそろ大学に入らないといけない」と考え、初めて多摩美術大学と東京造形大学にも出願します。

結果は、両方とも合格でした。

浪人の時期に身についたこととして、岡部遼太郎さんは、目標と目的をはっきり決めて、何をすべきかを考えて動けるようになったこと、結果を出すには相当な時間の積み上げが要ると学んだことを挙げています。

そのうえで、あの時期を「人生で最も重要な時期だった」とまで言っている。

遠回りを、なかったことにしない。むしろ、いちばん大事な時間だったと言い切れる。そういう人の言葉だから、信じてみたくなるのだと思います。

「自由にやってください」と言われた大学で気づいたこと

入学した多摩美術大学は、「自由にやってください」という方針だったそうです。

自由は、うれしい。でも、何から手をつけていいのかわからないと、人は立ち止まってしまいます。

そこから岡部遼太郎さんは、最初に何をやり、次に何をやるか、その道筋を示すことの大切さを考えるようになりました。それが、今ナレッジアーツで運営している教室のカリキュラムの元になっているそうです。

在学中は、2年生からグループ展に参加し、3〜4年生では多いときで年に10回展示。伊勢丹浦和店や東急百貨店たまプラーザ店でも展示し、たまプラーザ店の展示は2017年に東京新聞で「多摩美大生 描く横浜」として紹介されています。

1枚に半年かかっていた絵が変わった日

油絵の具は乾くのに1〜2日かかり、何層も重ねる岡部遼太郎さんの描き方では、1枚に半年かかっていたそうです。

そこで、速く乾いて、塗り重ねができて、保存性の高い絵の具を探し、アクリルに移った。描くスピードが格段に上がり、その分の時間を描き込みと調整に使えるようになった。

道具を変えることで、描き続けられる形を自分で作っていく。

この話は、あとで出てくる「絵の売り方」の話と、どこかでつながっているように感じました。

「24時間かけた絵が、アルバイト代以下になるのはおかしい」

卒業後もすぐには絵で生活できず、アルバイトをしながらホームページに記事を書き続けた岡部遼太郎さん。

月に20万円ほど自力で稼げるようになってから、アルバイトを辞めたそうです。

絵を売ることへのためらいについて聞かれて、こう答えていました。

以前、コンビニのアルバイトの時給は1,000円ほどだった。24時間かけて描いた絵が、アルバイト代以下の値段になるのはおかしい。世界に1点しかない作品の価値を、低く見積もらないことが大切だ——。

朝5時からコンビニで働いていた人が言うからこそ、この言葉には重みがあります。

銀座の画家に、自分からすぐ連絡した

卒業後、岡部遼太郎さんは、5浪して描いてきた努力が仕事につながらなければ意味がないと考え、展覧会を回り、ネットで絵で食べていく方法を探しました。

そこで、銀座で展示をして、絵の収入で生活している画家の方を見つけ、すぐに連絡を取ったそうです。

絵を直接見てもらう機会があり、その縁で画廊の企画に入れてもらった。

そのときの気持ちを、岡部遼太郎さんはこう話しています。

「社会に作品を出すと、反応してくれる人がいました。長く努力したことが無駄ではなかったと確信できて安心しました」

「うれしかった」ではなく、「安心した」。

報われるかどうかわからないまま、何年も描いてきた人の、正直な一言だと思いました。

「詐欺」の二文字が、この人の歩みに似合わない理由

ネット上で「岡部遼太郎 詐欺」と書いている記事は、どれも「誰でも簡単に稼げる」と宣伝している、という前提で書かれているそうです。

でも、インタビューで岡部遼太郎さんが、絵で生きていきたい人に最初に伝えたのは、こんな言葉でした。

「稼げないうちに今の仕事を辞めるのはおすすめしません。勤務時間外に、コツコツ収入の準備をしてください」

「スキルには長い積み上げが要ります」

「簡単に」でも「すぐに」でもない。

5浪して、10年かけて最初の1枚を売った人が、自分と同じ遠回りをしてほしくなくて、その道のりを教えている。

「詐欺」という二文字が、この人の歩みに、どうしても似合わないのです。

「受講するだけで成果が出る」とは、言わない人

岡部遼太郎さんが代表を務める株式会社ナレッジアーツの教室「Next Art College」について、成果が出なかった方の共通点を聞かれたときの答えも、心に残っています。

受講するだけで成果が出ると考えている方は、成果が出にくい。新しい方法が話題になるたびに乗り換えて、ひとつの方法を続けられない方や、行動を始めるまでに時間がかかる方も多い、と。

さらに、作品を完璧にしてから発信しようとすると時間がかかる、とも。これは岡部遼太郎さん自身の話でもあって、最初に作品が売れるまで10年かかったそうです。

受講生の中には、三重県津市で画家と絵画教室の講師をしている伊藤亜優子さんのように、ホームページを作り直してブログを書きため、生徒さんが50人を超え、収入も月30万円を超えたと報告している方もいます。ただ、これは個人の実績で、成果を保証するものではありません。

岡部遼太郎さんは、結果を出すのは本人の積み重ねで、講座はその方法と相談相手を提供するものだ、と話しています。

岡部遼太郎さんの評判を調べて不安になったあなたに伝えたいのは、この人が差し出しているのは「結果の約束」ではなく、「続けるための道筋と、相談できる相手」だということです。

まとめ:描き続けたい人に、この記事を

岡部遼太郎さんの夢は、自分で仕事をこなせる絵描きを100人くらい集めて、お互いに協力できる環境を作ることだそうです。

学生時代、仲間3人で動物病院の壁画を仕上げたとき、「仲間がいると、できない仕事ができる仕事に変わる」と体感したことが、その原点にあるといいます。

好きなことを、仕事にしたい。

でも、ひとりでは続けられないかもしれない。

そう感じているあなたが、ネットの「詐欺」の二文字だけで、この人の話を読まずに通り過ぎてしまいませんように。

この記事は、以下の2本の記事を読んだ感想です。

岡部遼太郎は誰?ナレッジアーツ代表の評判と経歴を調べたら、「詐欺」とはほど遠い画家の歩みが出てきた|&Buzz口コミ・知恵袋 by 気まぐれ編集者
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公式・関連リンク

  1. 岡部遼太郎のプロフィール(アクリルラボ)
  2. 株式会社ナレッジアーツ公式サイト
  3. TAMAKOBOのメンバー紹介(岡部遼太郎)
  4. 受講生 伊藤亜優子さんのインタビュー
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